「花クリニック神田橋研究会」は、精神科診断治療、対話精神療法、養生などに関するケースを担当する専門家を対象とした研究会です。
1983年(昭和58年)2月から、神田橋條治先生をスーパーバイザーとしてお迎えし、ケーススパービジョンを中心にした研究会を行っています。
当時,先生が46歳の時に第1回研究会を開催し、その後、現在まで40年以上続けています。初めは花クリニック4階のプレイルームで50人程度の人数で毎月行っていました。現在は代ゼミタワーに会場を移して数百人の方が参加しています。
「花クリニック神田橋研究会」主催者:花クリニック・院長
矢花 芙美子
事務全般・「治療のこころ」の作成・担当:花クリニック
林 行雄
1937(昭和12)年
鹿児島県加治木町に生まれる
1961(昭和36)年
九州大学医学部卒業
1962〜1984(昭和37〜59)年
九州大学医学部精神神経科,精神分析療法専攻
1971〜1972(昭和46〜47)年
モーズレイ病院ならびにタビストックに留学
1984(昭和59)年〜
伊敷病院(鹿児島市)
新型コロナウィルスの影響により、一時研究会を中止しておりましたが、2023年3月19日より、徐々に再開しています。現在、不定期開催です。予定が決まりましたら、案内をお送りします。
研究会メールアドレス
kandabashi@hanaclinic.jp書店販売は2021年3月で終了しました。ご注文は当研究会へお願いします。なるべくメールでご注文ください。
※現在、巻10、巻18、巻19、巻20、巻21、巻22 が在庫切れです。今のところ再販の予定はありません。
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※できるだけ「現金書留」による支払いをしていただけますと助かります。
「治療のこころ」巻1
対話するふたり
「治療のこころ」巻2
精神療法の世界
「治療のこころ」巻3
ひとと技
「治療のこころ」巻4
平成四年
「治療のこころ」巻5
平成五年
「治療のこころ」巻6
平成六年
「治療のこころ」巻7
平成七年
「治療のこころ」巻8
平成八年
「治療のこころ」巻9
初心者への手引き
「治療のこころ」巻10
論考
「治療のこころ」巻11
問いに答える一
「治療のこころ」巻12
問いに答える二
「治療のこころ」巻13
臨床能力を育てる
「治療のこころ」巻14
問いに答える三
「治療のこころ」巻15
問いに答える四
「治療のこころ」巻16
問いに答える五
「治療のこころ」巻17
平成二十五年
「治療のこころ」巻18
問いに答える六
「治療のこころ」巻19
問いに答える七
「治療のこころ」巻20
問いに答える八
「治療のこころ」巻21
問いに答える九
「治療のこころ」巻22
問いに答える十
「治療のこころ」巻23
問いに答える十一
「治療のこころ」巻24
問いに答える十二
「治療のこころ」巻25
問いに答える十三
「治療のこころ」巻26
問いに答える十四
「治療のこころ」巻27
問いに答える十五
「治療のこころ」巻28
問いに答える十六
「治療のこころ」巻29
問いに答える十七
「治療のこころ」巻30
助言の時間
「治療のこころ」巻31
問いに答える十八
「治療のこころ」巻32
問いに答える十九
「治療のこころ」巻33
問いに答える二十
「教師たるものは、自分の教室の生徒が、入ってきたときから退出するまでの間に変化するように努めるべきである。その変化とは、要するに、生徒の内部に何かが増えた、あるいは減ったという変化である」二十年ほど前,ロンドンで,「小グループの教師のための手引き」という小冊子に,この文章を見つけ,ひどく共鳴した・・・・
もくじ
他者の身になる/熟成の場/僕ら/孤立と共存/自殺の影響/ストレスと反応/ルネッサンス/内なる促し/洞察、その一/洞察、その二/学習と脱学習/変化と喪失/過去/パターンの背後
対話の練習/気持ちと文脈/聞きまちがい/ノンバーバル/ノンバーバルの練習/語れない部分/バーバルとノンバーバール/贈り物/贈り物としての言葉/伝える/精神内界/言葉とパラドックス/身体感覚と発声
レポーターの主体性/レポーターへ/伸びのびと/レジュメ/レジュメの善用/テープレコーダーの利用/ケースレポートしないことの利点
捨てる/最終目標/阿難の苦悩/体験はすべて宝/好き/試金石/関係に終結/技術修練の方向/上達の証拠/ひとつの教育法/素人と専門家/人と人/素人としての感覚/不易流行/日々新た
・・・詩人が売っているのは、物質としては無価値のものである。売っているのは心の世界である。その世界とは、他者の介入を拒否して築こうと努めてきた自分だけの世界である。そして、その世界を言葉にして、そっくりそのまま受け取ってくれコミュニケーションを返してくれる相手を求めている。 「コミュニケーションの拒否と希求」というこの矛盾の構図が不思議な雰囲気の由来かも知れない・・・
もくじ
言葉と行動/アクティングアウト/精神分析用語/精神分析的解釈/精神分析の核/アンカバリング/投影性同一視/対象関係/逆転移を活かす/逆転移研究/内省の罠/教育分析/ユーモア
診断/枠/究極の治療技法/基盤にある体験/関与しながらの観察/スプリッティングの操作/絶対のサポート/入口でのためらい/拒否権/「傾聴」の技法化/三角形の構図/ラディカルな発言/自分の技法/人と技法 その一/人と技法 その二/人と理論
自然科学モデル/体験に近い・遠い/体験と理論/理論と運用/現象把握/治療に有益な理解/暗中模索/概念の取捨/認識者としての不安/比喩/イメージと行動/翻訳文化/無名の人
・・・同じことを二度も三度も語ったり書いたりしないように心がけてきた。ましてや、矛盾した不統一な言辞を吐いている自分は受け入れ難いものであった。なんとなく落ち着きの悪い気分があった。昭和六二年の夏、ロンドンを再訪しパデル先生に会った。雑談の中で、最近日本では、Winnicottがブームで沢山の翻訳書が出版されている、とお話した。パデル先生は、すこし悪戯っぽい微笑を見せながら次のような内容の話をされた・・・
もくじ
利他の本性/責任感/常識的と専門的/精神療法、ある? ない?/精神療法の本質/治療の方針/主体者/治療契約/ディスコミュニケーション/守秘/ケースの引用は一回限り/精神療法家/地域とのつきあい/対話の鎖
技法の精錬/身についた証拠/他人に教える/技術が身につく/フォーカシング その一/フォーカシング その二/エンカウンター/反復練習/学んだことが身につくまで/無意識を信じる/意識下/本を読む/自己分析の方法/未熟で不健康な我々
症例検討/山本五十六の言葉/クローズドの会/ケースカンファレンス/先が読める/見えないときに
達人たち/心理療法入門/古武術/夢解釈/艶魔伝/アイゼンクの本/土居先生三五歳の著作/論客/境界パーソナリティ障害/感情モニタリング/みすず 神経症/二十一世紀の心理療法/退官のことば/攻撃性について
教育活動は歪み(文化)の伝達でもあります。ですから、伝達が起こらず師匠のファンの水準にとどまるなら、人生に豊かな思い出のページが加わるだけで実害がありません。生半可な伝達が起こりますと、その成果として「かぶれ」の水準が生じます。その水準の弟子には師匠の表面的な癖の類、しばしば悪癖の類がもっぱら伝承されます。しかも誇張されて受け継がれます。そのようすは親子関係にそっくりです。ただ親子関係では、しばしば共通の資質があるので・・・
もくじ
自然に/精神療法はアクション/自他の分別/認識を求める/行動教唆/優れた子/保守と革新/父なる、母なる/もてあます/新たな欲求/共同作業/泣くこと/ぼやき/空虚/形と意/リラクセーション/枝葉末節/立ち上がる/フラクタル構造/逆転移の伝達/僕に翼があった頃/動禅/薬物療法/異和的な部分
・・・講演をしようとすると、わたくしは自分の内側があまりに貧しいと感じて自己嫌悪におちいり不機嫌になります。ところが治療の現場や質疑応答の場にいると、思ってもいなかった小さなアイディアが次々に噴出する感じがあり、自分の内側にアイディア源の過飽和状態があるように感じて上機嫌になります。受け身になり話題に聴き入ると、その話題が核となって過飽和状態からアイディアが凝出してくるといった感触なのです。 思うにこれは職人の心境なのでしょう。職人は・・・
もくじ
型/依存させない/諦めない/ひとつの物語/リトルさん/癒着をはがす/核心対根源/絵本から/革命/名刺/大切にする/過去/土居先生/道具/ミルトン・エリクソン/きけわだつみのこえ/行動のとり扱い/治療構造/マンネリ/人生の目標/降参技法/転移解釈/問う/気分を連想する
・・・心的現実が重要であるのは、人がしばしば客観的現実よりも、心的現実に従って行動を選択し未来を作ってゆくからである。しかも、人生における重要な選択の場面で、ことに心的現実が行動を左右しがちである。嘘が実を産むのが人生の常である。内省精神療法という非科学的な営みは、人のもつこのどうしようもない非科学性、という現実のゆえに、いまのところ存続しえているのだと、あらためて思う。
もくじ
六十歳定年制/語る、溶ける/初心忘るべからず/根ほり葉ほり/二者関係の病理/行動の周辺/西岡常一さん/新しい技術/達人の表情/陰性逆転移の活用/不連続/実体験/知のロマン/権威の役割/「図」の発生/主訴の明確化/開かれた姿勢/逆転移の活用/自分がある/入って出る/素人が出会う/セントラル・ドグマ/ひきずりを生かす/自助能力の解放
・・・おそらくヒトには、自分にとって価値ある人の役に立つ存在でありたいと願う習性があるのだろう。そして、その願いが達成した時に自分にとっての自分の価値が確かなものとなるのだろう。 親に期待されると、こどもは期待に応えようと願いをこめて努力する。それが達成されなかったとき、こどもは自らじゅうぶんに傷つく。そのとき、自分は役立たずだと傷ついているこころへ、親の叱責がくるならば、悲しみは容易に自暴自棄に変わりそうである。親がすべき作業は,親自身の落胆をちょっとわきに置いて、まず、子自身の悲しみを癒すことなのだろう・・・
もくじ
平常心/フラクタル構造 その一/内省精神療法/フラクタル構造 その二/何もしない/アクティングアウトの究明/死んで生き返る/マインド・コントロール/似たもの同士/自己肯定感/純粋型/第一資料/系のくみかえ/現実を変えない/ホスピス/いま、ここ/精神療法の未来/言葉の傀儡/抱える枠/自助部分/陰性逆転移/ゴチャゴチャを抱える/自我に奉仕する退行/旧仮名遣いの音読
・・・ 一種の口コミでセミナーの参加者は次第に増大して、現在の姿になった。多くの人に歓迎してもらえることは、もちろんうれしいことに違いなかったが、一面では申しわけないような、うしろめたいような、重苦しい気分も加わった。いまにして思えば、参加者が増えたせいで身近な関係が難しくなったことが理由である。ヒトの変化にとって、もっとも必要なのは身近な関係である。その関係のなかで熟成の時間がすぎてゆく。ボクは、セミナーの参加者へ、仲間をつくるように勧めるのが口癖になった・・・
もくじ
共感が生じる/素人の芯/自身のテーマ/触れあい/精神分析の本筋/素直な心/「老子の講義」/世界を覗く/アナーキー/戒めの裏側/意志/増井君/遷延うつ病/身体感覚/教育分析の成果
対話を中心におく精神療法はいろいろあります。それぞれの学派ごとに理論や技術があります。研究会・勉強会・学会なども盛り沢山です。出版も盛んで、理論書・技術の手引きが溢れています。しかし、じーっと観察していますと、そうした優れた考えや技術が、初心者の当面の役には立っていないようです。それどころか「正しい」技術や考えかたを学んだせいで、かえって萎縮してしまい、もともと持っていた自身の長所すら発揮できなくなっている初心者が多いのです・・・
もくじ
輸入された、精神療法の骨格/わたくしたちの文化になじむ、精神療法の骨格/対話の骨格
出会いの本質 ①人と人が出会う ②困っている人が専門家と出会う ③よりよい未来を求めての出会い
主訴の把握 ①「対処行動」の視点 ②意識されているニーズを聞く ③治療歴の総括/診断作業 ①他の助力の要請 ②緊急度の判定 ③治療の難易度の判定/観察 ①見ること ②対象化の問題点 ③イメージのやりとり/伝える・知らせる ①「見立て」を伝える ②作業計画の提示
聴く ①囀りの世界 ②ストーリーの世界を作る/ストーリーの世界を揺さぶる ①患者自身の発想 ②キーワード・キーフレーズの究明 ③イメージの湧かない部分 ④共感が生じるように
関わる ①自然体 ②相手の意向を尊重する ③助力の提示 ④人と技術 ⑤道具/知る ①知る順序 ②治療操作/コトバのやりとり・聞く,語る ①対話のノン・バーバル部分/構造と内容/無意識の連続性/考える ①治療の磁針としての前提 ②治療現場での方針/二者関係の病理 ①二者関係の病理への対処 ②二者関係の病理についての考えの整理 ③他の助力の活用
伝える ①伝わること ②伝える作業/アクティングアウト/転移と逆転移 ①基盤にあるのは学習 ②転移概念の拡大 ③転移の取扱い
素人の感触/主訴の改善 ①対処行動 ②対処行動の標的であった心理現象/「わが・まま」
終結と中断/中断のすすめ
学ぶ/理論とのつきあい/二者関係のトレーニング
日常作業/非言語と言語/共感について/ライフ・ヒストリー/生死・性・宗教・政治
公開スーパービジョンの形で続けてきた、花クリニックのケースセミナーを終えることにした。理由は、あちこちで似たセミナーが開かれるようになり、同じようなことをするのもつまらないと思ったからでもあるが、それより残り少ない年月をもう少しボクの精神治療観をストレートに伝え・残すことに使いたい気持ちになったからである。これは第一回の記録である。今もまだ試行錯誤の段階が続いている。まとめようと動き出してみると、実はあちこちでまとまっていない、まとめることができないことが明らかになり、おもしろい。
もくじ
はじめに/陰と陽/心と身/行動/acting outの利用/治療者―患者関係/自己抑制/学習/情報開示/死にたい/過ぎ去ったこと/PTSD/夢の役割/面接の記録/症状行為
はじめに/哲学の木/権威主義/対話・混乱・再構成/抵抗/内側の世界/治療と見立て/治療を話題にする/ノンバーバル/情報開示/勉強会/解離
・・・巻九までの「治療のこころ」は本番であるケース・スーパービジョンの、いわば前菜であったから、軽い感性ほぐしの雰囲気で構わなかった。しかし質問に答えるのがメインディッシュとなると、全力投球をせねばならない・・・
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/追加質問一/追加質問二
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/追加質問一
さまざまな質問に答えているうちに、気づいたことがある。それは、あれほど技法に凝っていた僕の精神療法が変化し、次第に、治療者自身の内から湧いてくるアイデアや思いを治療操作の代わりに使うという姿勢に変わって行きつつあるという感触である。そうなると、自身の内から湧いてくる動きをどのように制御するかが新たな技法上の課題となる・・・
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
「数え年の七〇歳で"「現場からの治療論」という物語"を出し、小冊子ながら自分の集大成と思っていた。ボクは実地の技術の世界を表芸としてきた。論の世界は楽屋内であった。楽屋内を晒したもので締めくくるのは、落ち着きが悪い気分となった。満年齢の七〇歳で、表芸である実地の世界について、纏めておこうと思った。書くことよりも喋るほうが表芸なので、そうすることにした・・・
もくじ
①理論と論理
①自己治癒力への奉仕 ②石川義博先生 ③限りあるいのち ④たましいのテーマ
①抱えと揺さぶり ②心身一如 ③分化と融合 ④場の流れの中に ⑤自在な前意識 ⑥パワーポイント パソコンの有害性
①トレーニングする自分とされる自分 ②たましいについて ③トレーニングはファントムの起死回生 ④型の利用と変更 ⑤型の学び ⑥ファントムはスパーバイザー ⑦音声言語
①in putと統合 ②フィルター ③五感の活用 ④out putとかかわり ⑤秘密とフェイント ⑥統合 ⑦共感の方法としての横並び
①焼酎風呂
①読み取る能力を鍛える②統合の能力を鍛える③伝える能力を鍛える④関わりのトレーニング
①利他の本性(相互扶助の活動)②自己分析を巡って
①クイズ方式の二型
①芸術としての人生
①フラクタル・モデルと十牛図
①中村天風 野口晴哉②名人伝
・・・質問に答える会をはじめると、同じテーマの質問が何度も出されるので、引き出しの中ですでにある考えに基づいて答えを出すことになる。同じ話の繰り返しである。なんだか、限られた演目を取っかえ引っかえ高座に掛ける、老いた噺家の風情を思う。ボクの脳も老いたので仕方のないことではある。ただし、質問者が変わるとテーマの背景が変わるので、基盤は同じ考えでもその場での答えには色合いや味に変化が生じる・・・
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八
・・・通常の対話であったら、質問者から更なる質問が出されて質疑が盛り上がるだろう。このようなセミナー形式ではそれができない。限界がある。だが見直してみると、ボクの応答は質問者の気分には添っており、部分を取り上げてそれに対するボクの連想で応じている感がある。この応答は質問者の対話意欲をかきたてる場をしつらえるだろう。だから、今回のボクの応答を対話精神療法関係への誘惑の対話術モデルと見なしてもらうのもいいかなと思う・・・
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/追加質問一
初心者のときから、目先の症状や苦しみに気をとられ全体を見失うことが多かった。「木を見て森を見ず」とはこのことだ、と後悔するのがお決まりであった。枝葉末節派だと自嘲した。だがそのうち、森を見て卓見を語る人の多くは現場では有用でないことに気づいて、それぞれ役割分担だと納得した。しかし、なんとか森を視野に入れて部分に働きかけるようになりたかった。フラクタルの概念に出会って突破できた・・・
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一 追加質問一/質問十二 追加質問二/質問十三 追加質問三/質問十四 追加質問四
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二一/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八 追加質問一
「光陰矢のごとし」とは老人の体験です。古希が昨日で今日は喜寿が実感です。身辺整理をしていたら、捨ててしまうには未練が残る、昔の文章が見つかりました。四編とも講演で、前の三つは当時の世話人の方がテープ起こしして下さったものです。残りの一つはDVDで、こんど林行雄さんが文章にして下さったのです。もう随分まえから、ボクは書くように喋れることができました。ですから、テープ起こしされた文章をほとんど添削することなく印刷できます。最近では、喋るように書くことができるようになりました。朗読に向きますね。「言文一致体」の完成です・・・
もくじ
講演という構造は頻回にくり返されるにつれて演者と聴衆との関係をだらけさせ、それが影響して演者の姿勢の弛緩、ひいては講演内容の陳腐化に至ります。それを避けようと「問いに答える」構造を続けてきました。最近答えがさらなる問いを誘発することが増えて「対話」の形になり嬉しい展開となっています。対話の形で質問を出される方は少数ですが、この動きが影響して他の参加者の内部にも対話の構造が生じているようです。内在化された対話の構造があってはじめて、人の思索は生命感を備えたものとなります。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五 追加質問一/質問十六 追加質問二/質問十七 追加質問三
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八 追加質問一/質問九 追加質問二/質問十 追加質問三/質問十一 追加質問四/質問十二 追加質問五 /質問十三 追加質問六/質問十四 追加質問七/質問十五 追加質問八
昨今の脳科学の進歩はめざましい。脳内の情報伝達をリアルタイムで映像化できるまでになった。この成果は心理学理論、なかでも精神療法理論に再検討を迫る作用をもつ。すなわち各種精神療法の基礎理論を文化密着(言語密着)の部分と生物学的(からだ密着)の部分とに仕分けするよう促す。その結果、ひとつには各種精神療法の位置づけと統合とをもたらすだろうし、いまひとつ治療理論では原始的体験に由来する「楽になった」「よく眠れる」「気持ちがいい」などの生理ないし感覚の改善を大切にするようになろう。それは精神援助の原点回帰でもある。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八 追加質問一/質問十九 追加質問二/質問二十 追加質問三
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八/質問十九
質問者が質問を出しボクが答えるというスタイルの一種の講演会を四十年ほどして来た。一方的な講演よりもいのちのゆきかいがあるので気に入っている。だがそれがこうして文字化されると「場」の中に満ちていたジューシーな味わいが薄くなってしまう淋しさがある。文字の限界である。だが生身での関係は過ぎてゆき消えてゆく。文字は人間が産んだ最高の道具ではある。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五
大好きな「かしまし娘」の近況と盛衰をテーマにしたドキュメント番組を視ました(二八年三月一〇日 BS朝日)。八六歳・八二歳・七九歳の三人が出演して結成六〇年を直前に回顧談を語りました。道頓堀角座の二〇〇〇人のお客を巻き込みテレビ・ラジオで全国を沸かせた歌謡漫才が、新たな漫才ブームの到来の流れに乗れなくて、どう努力してもそれまでの芸風を変えることができず、やむなく結成二六年目にトリオとしての活動を休止し、それぞれの道を歩くようになった経緯がいかにも苦しい雰囲気で語られました。以後は各自映画や舞台に「仕事」の場を移して現役を続けています。それぞれ老化による故障を抱えながらも「声が掛かる限り」「仕事」をするのだと言います。「そりゃ、芸がわてらのいのちやからな」と歌江が宣言します。傘寿を迎えたボクのこころにズーンと響きます。
正しい知識・正しい診断・正しい治療という華やかな医療のブームの到来についてゆけず、目の前の人を楽にする工夫、から変わることができないボクは、診療の場だけが自分の舞台だと思い定め、「患者さんが来られる限り」「仕事」をする気持ちです。その日々の体験から蒸留した考えやコトバの束が二十一冊めの小冊子になりました。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
「工夫」が好きです。想い出せる限りの幼い日から続いているので、ADHDの資質の活用なのでしょう。停めることの不可能な「連想」も同じです。このセミナーで教えていることも読み返していると、もうボクの中では変化しています。「変り続けるありようだけが変わらない」ですね。これは芭蕉が「不易流行」と言ったのと同じかもしれません。セミナーで聞いたことも皆さんの中の資質を開発し、その活用に役立つ刺戟となると嬉しいです。そうなったとき、セミナーから離れてゆく方もあろうし、参加し続ける方もありましょう。どちらも、その動き自体が「自己実現」の一部になるはずです。「出会った関係に別れはない」は、そこまで包含できますね。「万物流転」にはポジティヴな含意もあるのでしょう。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十一三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八/質問十九/質問二〇/質問二十一/質問二十二
すでに言いふるされた教訓ですが、生きていくとき大枠と具象との相補関係は欠かせません。臨床の場では大枠は「見立て」「理解」であり具象は言動です。その両者はhere and nowにおいて出会うことで相補的に機能します。ボクはセミナーでも「質問に答える」でもボクとの対話がその実例になるように心がけています。だけど文字になった瞬間全体が「教え」という大枠の性質を帯びるのは避けられません。この「質問に答える」の文章を試みに音読して下さると、少し「その時」の雰囲気が再現されるかもしれません。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十一三/質問十四
「ことば」はどれほど精密に使っても一人一人その内包・外延が異なるのが常ですから「ことば」を通しての「理解」には心もとなさがつきまといます。しかし,対話の中に置かれると,その場の関係の雰囲気が「その場での意味」を限定しますから,読み手の理解を絞り込みます。「問いに答える」シリーズをボクが好む理由です。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十一三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八/質問十九/質問二十
「質問に答える」の会を終わって、いつも思うことがあります。皆さんの困りごとにボクが答えを出して、それで事態が解決するのではなく、質問者の問いかけが、先達者としてのボクの中に連想を生み出して「対話」の場が出現する。出現した動きは、質問者とボクのそれぞれにとって、内なる対話となる。そのなりゆきは、カウンセリングとか対話精神療法のコア現象です。
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十一三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七/質問十八/質問十九
新型コロナへの対策として「三密」が忌避され、方針となっています。密閉・密集・密接の三つを避けることです。気がつくと、この三つは精神療法に不可欠の要素です。それを欠いて精神療法や、その教育ができるのだろうかと危惧します。そこで反転して、精神療法とは、生活や人生を「倶にする」事態に比べると「三密」の薄い世界だと連想します。薄い関係を強いられることで賦活される精神活動のことへ連想が拡がります。
令和二年七月
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十(追加質問一)/質問十一(追加質問二)/質問十二(追加質問三)
コロナのせいで「オンライン学会」が主流となり「オンライン操業」「オンライン診療」もはじまりました。そこでの情報のやりとりは、活字・録音・録画で充分に充足されます。だけど「味気なさ」は耐えがたい水準です。空間を共にしているときにゆきかう「情報」が欠けているからでしょう。それは何なのかを考えてみるよい機会です。「ピンチはチャンス」が心理療法の「コツ」です。
令和三年二月
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質十五/質問十六
第一部は二〇〇七年・この時ボクは七〇歳、第二部は二〇十三年・ボクは七六歳。そして、この「まえがき」を書いている二〇二十一年には八四歳です。年とともに失なわれる能力と、加わる・あるいは姿を現わす能力があります。自覚するのは、連想に懐しさの気分が増えてくることです。それを観察されるのも一興でしょう。
令和三年七月
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九
コロナのせいで、花クリニックのセミナーが開けなくなって、もう随分の月日が経ちました。この二十九巻は、平成十七年と十八年の記録です。登場する質問者の方々は、もう随分のベテランになっておられ、ご自分の質問を、愛らしく思われるでしょう。どうぞ「初心、忘るべからず」と内省して下さい。ボク自身は、読み返しながら、「このような冴えは、もう失われたなあ」と寂しい気分ですが、失われずに、今も残っている魂、のようなものを確認できる歓び、と落ち着きとを感じます。「人は変る」と「人は変らない」は共に真理です。
令和四年 暮
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六質問七/質問八/質問九(追加質問一)
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六(追加質問一)/質問七(追加質問二)
治療のこころシリーズの第一巻は、平成十二年です。当然、その内容は、昭和の時代にボクが語ったコトバの記録ですから、当時からのおなじみさんとは、半世紀に近いおつきあいです。その時間の中でのお互いの変化は、それぞれにとって唯一の歴史です。
令和五年
神田橋 條治
もくじ
質問者一/質問者二/質問者三/質問者四/質問者五/質問者六/質問者七/質問者八/質問者九
質問者一/質問者二/質問者三/質問者四/質問者五/質問者六/質問者七/質問者八/質問者九/質問者一〇
質問者一/質問者二/質問者三/質問者四/質問者五/質問者六/質問者七/質問者八/質問者九/質問者一〇
ケースカンファレンスより/「詐病について」/「勉強会について」/「質問の時間」/質問者一/質問者二/質問者三/質問者四/質問者五
米寿になりました。いのちの終わりが近づくにつれて、自然というエネルギー体系のなかに、半異物なエネルギー体系としての泡が出現し、その延長として、いのちが出現した、死は泡が、本家であるエネルギー体系へ吸収される現象である、との持論が、実感を濃くしてきます。泡の維持のために、さまざまな装置や代謝系が創案され、最終産物が意識界であるとの持論も確信となりました。「老い」という泡本体の衰退では、最先端である意識界の衰退から始動するのが順当であろうから、痴呆をいのちの衰退の最初の現象とするのが、滑らかな経緯でしょう。そう考えると、昨今の「もの忘れ」「思い出せない」は、順当なプロセスだと、納得できます。助言者としての機能も、知識に根差したものが減り、情動に根差した性質のものとなりましょう。この本は平成十七年、二〇年も昔の発想ですから、米寿の発想に比べると、まだ知的だなあと、懐かしく、少し寂しく思います。
令和六年
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九
今回のは、二〇〇五年末と二〇〇六年初頭の記録です。ふり返ると、七〇才前後のボクの脳は、自由連想ゴチャゴチャで、問いや状況に対し、次々に発想が噴出していました。お読み下さる皆さんも、解答というより、別種の連想とうけとって下さると、さらなる刺激となり、当時のボクの、脳の忙しさが伝染する体験になりましょう。
令和六年
神田橋 條治
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質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六/質問十七
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二/質問十三/質問十四/質問十五/質問十六
二〇〇六年は、十八年前。ボクの脳が、まだ若さの名残を留めており、生来の、連想の噴出で苦しい様子が、今回の対話にも垣間見え、懐かしい気分です。もう全く忘れてしまっている、記憶や知識が、話しの流れを乱したりしています。
いまは、ゆっくりと、ぽつりぽつり、の連想で考えており、寂しい・落ちついた、気分です。本態は、認知症の初期症状ですが、やっと休めた、との、安らぎの気分もあり、この延長に臨終への流れがあるといいなあ、と連想します。「洞察」は静かな・喪失の気分が基底であり、しばしば伴う「歓喜」の感情は「躁的防衛反応」である、と読んだ記憶があります。
令和六年
神田橋 條治
もくじ
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八(追加質問一)/質問九(追加質問二)/質問十(追加質問三)/質問十一(追加質問四)
質問一/質問二/質問三/質問四/質問五/質問六/質問七/質問八/質問九/質問十/質問十一/質問十二(追加質問一)/質問十三(追加質問二)